ブライダルチェックは主に女性が受けるもの。産婦人科で妊活前などに受けておくもの。こういったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?しかし、ブライダルチェックとは、男性もしっかりと受けておくべき検査として少しずつ広まって来ています。性感染症は男女関係なく感染し、その強い感染力によって簡単に広がってしまいます。さらに、昨今の新型コロナウィルスによる私生活の変容やマッチングアプリの一般化による社会情勢の変化によって、感染者数は増えています。早期発見により、できる限り流行を食い止めたいと思っています。
昨今のWHOの調査によると、不妊になる原因の割合は、女性因子37%、男性因子8%、女性及び男性因子35%、原因不明5%(出展:1996年WHOによる7,273カップルの不妊症の原因調査より)、というような結果が出ています。結果として、原因は男女には大きな差が無いのです。しかし、ブライダルチェックという言葉の理解度や、性感染症・不妊症のリテラシーについては女性の方が圧倒的に高く、重要性を理解しているという意識・知識の差が今の性感染症の増加の一要因だと考えています。女性のパートナーから、ブライダルチェックという言葉を聞いたという男性も少なくはないのではないでしょうか?
※東京都感染症情報センターより
当院がブライダルチェックに注力しているのは、このような世の中の状態に対して、泌尿器科専門医としてしっかりと対応していきたいという想いがあるためです。ブライダルチェックは男女ともに重要で今後は「パートナーと将来のお子様への礼儀とマナ-」であり、家族に対しての基本的な「責任」という立ち位置になっていくべきだと考えています。
一方で、ブライダルチェックは上記のような経緯を主目的とする検査ですが、性感染症にかかってしまったかも、思い当たる節がある・・などというような、人には言えないお悩みを抱えている方にもおススメです。感染が発覚し、治療が遅れた際に失うものと比べてみると、早い段階での診断と治療をすることをお勧めいたします。性感染症は自分には関係ないと思わずに、性行為をする以上、感染する可能性があると考えておくことが大切です。